1.概要
生産緑地法が改正され、新たに特定生産緑地制度が創設されました。(2018年4月1日施行)
2.特定生産緑地制度とは
生産緑地として指定された農地は、都市計画決定から30年経過後はいつでも買取りの申出が可能となりますが、現在適用されている税制上の特例措置の一部は引き続き受けられなくなります。そこで、生産緑地地区の都市計画決定から30年経過後も従来適用されていた税制上の特例措置を受けるために、所有者等の意向をもとに、市町村が特定生産緑地に指定する必要があります。
特定生産緑地に指定した場合には、買取りの申出ができる時期は10年延長され、引き続き営農継続が義務付けられます。
3.特定生産緑地に指定された場合
・相続税の納税猶予制度は継続されます。(次世代においても適用が可能です。)
・固定資産税・都市計画税は、引き続き農地評価・農地課税となります。
・特定生産緑地の指定は10年毎の更新制です。その都度、継続の判断ができます。
・相続等が発生した場合には、これまでと同様に買取りの申出が可能です。
4.特定生産緑地に指定しない場合
(生産緑地は自動的に解除されませんので、解除には買取りの申出の手続きが必要です。)
・現在適用を受けている相続税の納税猶予制度は継続されますが、次世代への相続においては納税猶予制度の対象とはなりません。
・固定資産税・都市計画税は5年間の激変緩和措置の後、宅地並み課税となります。
・生産緑地として維持する場合には、引き続き営農継続が義務付けられます。
5.留意事項
・特定生産緑地の指定は、都市計画決定から30年を経過する前に行う必要があります。30年経過後は、特定生産緑地の指定ができなくなりますので注意してください。
・生産緑地の指定後30年を迎える生産緑地については特定生産緑地の指定を受けるのか、申し出をしないで引き続き営農を継続するのか、市町村へ買取を申し出たうえで宅地の転用や活用を考えるのか、いずれかの選択が必要です。この選択については、このまま農業を継続するのか、後継者がいるのか、課税負担がどれくらいなのか、農業経営者の皆様は十分な検討必要です。