都市農業と税務~都市農地の貸借について~

農業

1.都市農地貸借法(正式名:都市農地の貸借の円滑化に関する法律)の概要

都市農業は、都市住民に地元産の新鮮な野菜などを供給するだけでなく、都市における防災空間、緑地空間など優れた多面的機能を有しています。他方、農業従事者の減少や高齢化が進む中、こうした機能が適正かつ十分に発揮されるためには、生産緑地地区の区域内の農地(以下、「都市農地」という。)の所有者のみならず、都市農地を借り受けた意欲ある都市農業者等により、都市農地の有効活用が図られることが重要です。そこで都市農地の貸借が円滑に安心して行われるための仕組みを目的として上記法律が成立しました(2018年9月1日施行)。

2.事業計画の認定手続き

都市農地を自らの耕作の事業のように供するため、都市農地の所有者からその都市農地について賃借権又は使用賃借による権利(以下、「賃借権等」という。)の認定を受けようとする者は、耕作の事業に関する計画(以下、「事業計画」という。)を作成し、市町村長の認定を申請することができます。市区町村は、農業委員会の決定を経て、この事業計画の認定をすることになります。

3.制度を利用するメリット

市町村長の認定を受けた事業計画に従って都市農地に設定された賃借権等は、下記のメリットを受けることができます。

・認定事業計画に従って認定都市農地について設定された賃借権については、農地法第17条(法定更新)の規定の適用はしないこととなります。事業計画に基づく賃貸借期間の終了後、都市農地は契約更新されることなく所有者に返還されますので、都市農地の所有者は安心して農地の貸付をすることができます。

・認定事業計画に基づく貸付がされた都市農地については、相続税の納税猶予は継続されます。(相続税の納税猶予制度については、税務署への届出が必要です。).

4.特定都市農地貸付について

都市農地を市民農園の開設者が、農地の所有者及び市町村と協定を締結した上で農業委員会からの特定都市農地貸付の承認を受けることができます。この承認を受けて賃借権等が設定された場合には、その貸付に係る都市農地については、相続税の納税猶予は継続されます。(相続税の納税猶予制度については、税務署への届出が必要です。)

 

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