1.一括償却資産とは
一括償却資産とは、取得価格が10万円以上20万円未満の固定資産について個別に減価償却をしないで使用した年から3年間にわたり、資産の取得価格の3分の1を必要経費に計上していくものです。
一括償却資産の対象となる固定資産を取得したときは、次のいずれかの方法の会計処理を選択することになります。
(1)通常の減価償却を行う
(2)一括償却資産とする
(3)少額減価償却資産の特例を適用する(青色申書である中小企業者等の特例)
どの会計処理をするかによって、その期に計上できる償却費の金額が変わります。事業者にとって一番有利な会計処理を選択する必要があります。
2.償却資産とは
償却資産とは、土地・家屋以外の事業用資産で、事業者の所得の金額の計算上、減価償却費として損金または必要経費に算入されるものをいいます。機械や備品などが対象です。
3.償却資産税の申告と一括償却資産について
事業者は、毎年1月1日に所有する償却資産について、その年の1月31日までに、償却資産税の申告をしなければなりません。
なお、上記の(1)~(3)の会計処理では、償却資産税の取扱いが異なります。
会計処理 | 償却資産税 |
---|---|
通常の減価償却 | 課税 |
一括償却資産 | 非課税 |
少額減価償却資産 | 課税 |
通常、取得価格が10万円以上の減価償却資産については、償却資産税の申告に対象の資産として含める必要がありますが、一括償却資産として会計処理した資産については、償却資産税の対象資産に含めなくて良いこととされています。
そのため一括償却資産として処理すると、償却資産税の負担が少なくなるというメリットがあります。
会計処理を選択する時は、償却資産税の課税も考慮して有利な処理を選ぶようにして下さい。